春が訪れると恋しくなる、はまぐりの旬の時期を産地別にご紹介すると共に、栄養価や美味しい食べ方を解説。
さらに、貸別荘で楽しめるはまぐりレシピもご提案します! はまぐり尽くしの旅に出かけましょう!
はまぐりの旬は主に春

春は、はまぐりが最も美味しい時期と言われています。3月~5月にかけて産卵期を迎えるため、身が大きくふっくらとして、旨味も凝縮されています。
はまぐりの産地は、日本全国に点在していますが、それぞれの地域によって旬の時期が若干異なります。
特に、春のはまぐりは「花はまぐり」と呼ばれ、味が良いとされています。
はまぐりの産地別の旬な時期

はまぐりは一年を通して流通していますが、産地によって旬の時期が異なります。
ここでは、茨城県、千葉県九十九里、三重県、熊本県の4つの産地について旬の時期を紹介します。
・茨城県:6~7月
・千葉県九十九里:1~3月
・三重県:5~8月
・熊本県:2~4月
これらの産地は、それぞれ異なる海域で養殖されており、そのため旬の時期にも違いが生じます。中でも、千葉県と熊本県は冬に旬を迎えるため、一年を通して新鮮なはまぐりを楽しむことができます。
はまぐりを美味しく食べる方法はたくさんありますが、特に産地で味わいたいのが浜焼きです。新鮮なはまぐりを炭火で焼いてそのまま食べるシンプルな料理ですが、素材の旨味を存分に味わうことができます。
茨城県
茨城県のはまぐりは、主に太平洋沿岸部で水揚げされます。はまぐり漁が盛んで、特に北茨城市の大津漁港は全国有数の産地として知られています。
茨城県のはまぐりの旬は、一般的に初夏の6月から7月頃とされています。 この時期のはまぐりは排卵前につき身がふっくらとしていて、甘みも強く、最もおいしいとされます。
茨城県では、はまぐりを使った様々な郷土料理が親しまれています。 代表的なものとしては、はまぐりの潮汁があります。 はまぐりの旨味と潮の香りが絶妙にマッチした、シンプルながら味わい深い一品です。 また、はまぐりの酒蒸しやはまぐりご飯も人気があります。
千葉県九十九里
1月から3月にかけてが旬です。この地域は遠浅の砂浜が広がっており、はまぐりの生育に適した環境です。特に、九十九里町の片貝海岸で水揚げされるはまぐりは「片貝はまぐり」と呼ばれ、身が大きくプリプリとした食感が特徴です。
九十九里のはまぐりは、身が厚く、味が濃厚で、全国的にも有名です。定番の料理としては、はまぐりのお吸い物やはまぐりの酒蒸しなどが挙げられます。また、バター醤油で炒めたはまぐりのバター醤油炒めや、はまぐりの旨味がたっぷりと出たはまぐりのリゾットなども人気です。
三重県
三重県は、伊勢湾と太平洋に面した位置にあり、はまぐりの養殖が盛んな地域です。そのため、三重県産はまぐりは品質が良く、一年を通して安定的に流通しています。
しかし、はまぐりにも旬の時期があり、最もおいしいとされるのは、春から夏にかけての5月~8月です。この頃に獲れるはまぐりは、身がふっくらとしていて、甘みと旨味が凝縮されています。
熊本県
熊本の海は有明海と太平洋の両方に面しており、はまぐりの養殖が盛んです。
中でも、八代海は全国有数の産地として知られています。熊本県のはまぐりは、身が厚く、甘みと旨味が強いのが特徴です。
熊本県のはまぐりの旬の時期は、一般的には2月~4月とされています。この時期は、産卵期を終えたはまぐりが栄養を蓄え、最も美味しくなる時期です。
熊本県で獲れるはまぐりは、鮮度が高く、様々な料理に利用できます。刺身や焼きはまぐり、潮汁、はまぐりご飯など、様々な方法で味わうことができます。
はまぐりの栄養価

カロリーが低く、タンパク質が豊富なはまぐりは、ダイエット中の方にもおすすめの食材です。
豊富な栄養素を含んでいるため、健康維持にも役立つでしょう。
カリウム
はまぐりは、カリウムを豊富に含む食材です。カリウムは、体内の水分量を調節したり、血圧を下げたりする働きがあります。また、筋肉の収縮や神経の伝達にも関与しています。
しかし、カリウムは水溶性のため、調理によって流れ出てしまうことがあります。カリウムの流出を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
・茹で汁は使わない。
・水にさらしすぎない。
・塩分濃度を高くしない。
カルシウム
はまぐりはカルシウムが豊富に含まれている貝類です。カルシウムは骨や歯の形成に不可欠な栄養素で、骨粗しょう症の予防や改善にも効果があると言われています。
はまぐりのカルシウム含有量は、100gあたり約34mgです。これは、牛乳100gに含まれるカルシウムの約3倍に相当します。また、はまぐりにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれているため、カルシウムの効率的な補給に役立ちます。
鉄分
はまぐりの鉄分は、体内の酸素を運搬する役割を持つヘモグロビンの材料となるため、貧血予防に効果的です。100gあたりの鉄分の含有量は、はまぐりで7.3mg、牛肉で2.9mg、ほうれん草で2.7mgと、はまぐりが最も多く含まれています。
はまぐりの鉄分は、ヘム鉄と呼ばれる吸収率の高い形態で含まれています。ヘム鉄は体内で効率的に吸収されるため、貧血気味の方や鉄分不足が気になる方に積極的に摂取したい栄養素です。
ビタミンB2
はまぐりには、ビタミンB2が豊富に含まれています。ビタミンB2は、体内の糖質、脂質、タンパク質の代謝を促進する働きがあります。
そのため、疲れやだるさを軽減したり、肌の調子を整えたり、髪を健康に保つのに役立ちます。
成人のビタミンB2の推奨摂取量は、男性で1.4mg、女性で1.1mgです。はまぐり100gあたりには、約0.2mgのビタミンB2が含まれています。
ビタミンB12
はまぐりは、ビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、神経系を正常に機能させるために重要な栄養素です。また、DNAの合成にも関与しており、細胞の成長と修復に不可欠です。
ビタミンB12の欠乏症は、貧血、神経障害、認知症などを引き起こす可能性があります。はまぐりは、100gあたり約85μgのビタミンB12を含んでおり、これは1日の推奨摂取量の約3倍に相当します。
はまぐりが生きているかの見分け方

はまぐりを食べる前に、生きているかどうかを確認することが大切です。以下の方法で確認できます。
・触ってみて、殻がしっかり閉じていれば生きています。殻が開いている場合は、軽くトントンと叩いてみてください。殻が閉じるようであれば生きています。
・生きているはまぐりは、磯の香りがします。腐敗した臭いがする場合は、食べないようにしましょう。
・はまぐりを塩水に入れて、沈むかどうかを確認します。沈む場合は生きています。浮いてくる場合は、死んでいる可能性が高いです。
<はまぐりが生きているかの見分け方リスト>
・殻がしっかり閉じていれば生きています
・殻が開いている場合は、軽くトントンと叩いてみてください。殻が閉じるようであれば生きています
・生きているはまぐりは、磯の香りがします。腐敗した臭いがする場合は、食べないようにしましょう
・はまぐりを塩水に入れて、沈むかどうかを確認します。沈む場合は生きています。浮いてくる場合は、死んでいる可能性が高いです
はまぐりの下処理

はまぐりは「砂抜き」と「塩抜き」という下処理が必要です。
砂抜きは、はまぐりが体内に溜め込んだ砂を吐き出させる作業です。
塩抜きは、はまぐりの塩分を調整する作業です。
砂抜き
はまぐりを美味しく食べるためには、砂抜きが必要です。
以下、はまぐりの砂抜きの方法を紹介します。
<砂抜きの方法>
1:はまぐりをボウルに入れ、たっぷりの海水か3%の食塩水を入れます。
2:ボウルに新聞紙をかぶせて暗くし、風通しの良い涼しい場所に置きます。
3:そのまま2〜3時間放置します。
4:2〜3時間経ったら、ボウルの中の海水を捨て、新しい海水か3%の食塩水を入れます。
5:さらに1〜2時間放置します。
6:はまぐりを流水でよく洗います。
7:はまぐりの殻が少し開いていれば、砂抜き完了です。
はまぐりは生きている限り砂を吐き続けるので、砂抜き時間は長ければ長いほど良いと言われています。しかし、あまり長時間放置すると死んでしまうので注意が必要です。
塩抜き
はまぐりの塩抜きは、砂抜きと同じく、あらかじめ海水に近い塩分濃度の塩水に浸けることで、はまぐりが体内に残っている余分な塩分を吐き出させる作業です。はまぐりの旨味や甘みを引き出すのに重要な工程です。
<塩抜きの方法>
1:容器に、はまぐりが浸るくらいの水を入れ、はまぐりの量の3%の塩を加えて塩水を作ります。
2:はまぐりを塩水に入れ、直射日光の当たらない涼しい場所に置いておきます。
3:夏場は2~3時間、冬場は4~5時間が目安ですが、はまぐりの大きさや水温によって調整が必要です。
4:塩抜きが完了したら、はまぐりをザルにあげて、流水で軽く洗います。
<注意点>
・塩分濃度が濃すぎると、はまぐりがショックを受けて死んでしまう可能性がありますので注意が必要です。
・塩抜き時間が長すぎると、はまぐりの旨味が抜けてしまうので注意が必要です。
・塩抜きした後の水は濁っていることがありますが、これははまぐりが吐き出した汚れですので問題ありません。
はまぐりの適切な保存方法

はまぐりは鮮度が落ちやすい食材なので、適切に保存することが大切です。
ここでは、はまぐりの保存方法についてご紹介します。
冷蔵保存
はまぐりを美味しく食べ終わった後、余った場合は適切に保存することが大切です。冷蔵保存の方法は、以下の手順で行います。
<手順>
1:砂抜きをする
2:水気を拭く
3:保存容器に入れる
4:冷蔵庫に入れる
冷蔵保存できる期間は、約3~4日です。生きたまま保存するため、殻が閉じた状態であることを確認します。
殻が開いている場合は、軽く叩いて閉じてから保存します。保存中に殻が開いてしまった場合は、残念ながら鮮度が落ちている可能性が高いため、食べるのは避けた方が良いでしょう。
冷凍保存
はまぐりを冷凍保存すると、約1ヶ月間保存できます。冷凍保存方法は以下の通りです。
<手順>
1:はまぐりをきれいに洗う。
2:殻を閉じたまま、ジッパー付き保存袋に入れる。
3:保存袋の空気を抜いて密封する。
4:冷凍庫に入れる。
解凍する際は、冷蔵庫でゆっくりと解凍します。急いで解凍する場合は、流水にさらします。解凍したはまぐりは、できるだけ早く調理してください。
<冷凍保存の注意点>
・加熱調理が必要です。生食はできません。
・多少風味が落ちる可能性があります。
・再冷凍はできません。
<冷凍保存のメリット>
・長期保存が可能
・いつでも新鮮なはまぐりを使用できる
・下処理済みなので、調理が簡単
<冷凍保存のデメリット>
・多少風味が落ちる可能性がある
・再冷凍はできない
貸別荘やコテージで使えるはまぐりを使ったレシピ
出汁が良く出て旨味がたっぷりのはまぐりは、シンプルに食べても美味しいですが、一手間加えることでさらに美味しくなります。貸別荘やコテージで、はまぐりを使った料理を楽しんでみてはいかがでしょうか?
はまぐりを使った簡単なレシピを3つご紹介します。
1:はまぐりのお吸い物
シンプルながら、はまぐりの出汁が凝縮された一品。ネギや三つ葉などの薬味を添えて。
2:はまぐりバター醤油炒め
バターと醤油の香ばしさが食欲をそそる一品。ニンニクや鷹の爪を加えても◎。
3:はまぐりのトマトクリームパスタ
濃厚なトマトクリームにはまぐりの旨味が溶け込んだパスタ。お好みでバジルをトッピングして。
他にも、はまぐりを使ったパスタや鍋など、様々な料理が楽しめます。ぜひ、あなたのお気に入りのレシピを見つけてください。
はまぐりのお吸い物

はまぐりのお吸い物は、春の味覚を存分に味わうことができる一品です。はまぐりの旨味がたっぷりと溶け出した澄んだお吸い物は、ほっとするような優しい味わいで、季節の訪れを感じさせてくれます。
<材料>
・はまぐり:500g
・水:800ml
・酒:大さじ1
・薄口醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・塩:適量
・三つ葉:適量
<作り方>
1:はまぐりは、砂抜きをして殻をこすり洗いします。
2:鍋に水、酒、薄口醤油、みりんを入れて火にかけます。
3:沸騰したらはまぐりを入れて蓋をし、弱火で5分ほど煮ます。
4:はまぐりが開いたら、塩で味を調えます。
5:器に盛り付け、三つ葉を飾ります。
<ポイント>
・はまぐりは、煮すぎると固くなるので注意しましょう。
・はまぐりの出汁が美味しいので、薄味に仕上げましょう。
・お好みで、柚子や山椒を添えても美味しくいただけます。
はまぐりバター醤油炒め

はまぐりにバターの香ばしさと醤油の甘辛さが絡んだ一品です。シンプルな材料と調理方法で、簡単に美味しく仕上げることができます。
<材料>
・はまぐり:500g
・酒:大さじ2
・みりん:大さじ1
・醤油:大さじ1
・バター:10g
・小口切りネギ:適量
<作り方>
1:はまぐりをよく洗って砂抜きをしておく。
2:フライパンに酒、みりん、醤油を入れて火にかけ、沸騰させる。
3:はまぐりを加えて蓋をし、中火で5分ほど蒸し焼きにする。
4:はまぐりの口が開いたらバターを加え、絡めるように軽く炒める。
5:器に盛り付けて、小口切りネギを散らす。
<ポイント>
・はまぐりは新鮮なものを使用し、砂抜きをしっかりと行う。
・バターは焦がさないように注意する。
・醤油の量はお好みで調整する。
はまぐりのリゾット

はまぐりの旨味がたっぷり詰まった、クリーミーなリゾットは、貸別荘やコテージでの優雅なディナーにぴったりです。砂抜きと塩抜きを済ませたはまぐりを白ワインで蒸し、その旨味をスープに溶かし込んでいきます。仕上げに、パルメザンチーズをたっぷりとかけてクリーミーさをプラス。お好みで、パセリやブラックペッパーを散らして、見た目も鮮やかに仕上げましょう。
<材料>
・はまぐり:500g
・米:200g
・白ワイン:100ml
・玉ねぎ:1/2個
・ニンニク:1片
・イタリアンパセリ:適量
・ブラックペッパー:適量
・オリーブオイル:大さじ2
・バター:20g
・水:500ml
・固形コンソメ:1個
・パルメザンチーズ:適量
<作り方>
1:はまぐりは砂抜きと塩抜きを済ませておく。
2:玉ねぎとニンニクをみじん切りにする。
3:鍋にオリーブオイルとバターを熱し、玉ねぎとニンニクを炒める。
4:米を加えて軽く炒め、白ワインを注いでアルコールを飛ばす。
5:水、コンソメ、はまぐりを入れて蓋をし、弱火で15分ほど煮込む。
6:はまぐりが開いたら、パセリとブラックペッパーを散らし、お好みでパルメザンチーズを削ってかける。
<ポイント>
・はまぐりの旨味を逃さないように、蓋をして弱火でじっくりと煮込むのがポイントです。
・お米はアルデンテに仕上げると、はまぐりの食感とのコントラストが楽しめます。
・パルメザンチーズは、仕上げにたっぷりとかけてクリーミーさをプラスしましょう。
<アレンジ>
・より濃厚な味わいにしたい場合は、生クリームを加えてもおいしいです。
・彩りを添えたい場合は、刻んだパプリカやグリーンピースをトッピングしても良いでしょう。
まとめ
はまぐりは、美味しいだけでなく栄養価も高く、様々な料理に利用できる食材です。このページの情報が、はまぐりを楽しむための参考になれば幸いです