「自然の中で、のんびり川釣りをしてみたい」
そんな風に思って、川釣りに興味を持ったあなたへ。川釣りは、美しい景色の中で手軽に始められる最高のアウトドアアクティビティです。
しかし、いざ始めようとすると「どんな道具が必要?」「ルールやマナーは?」「危険はないの?」といった不安や疑問が次々と浮かんできますよね。
ご安心ください。この記事では、川釣り初心者が知っておくべき注意点から、必要な道具、基本的な釣り方、釣れる魚の種類まで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、安全に楽しく川釣りデビューするための知識がすべて身につき、自信を持って最初の一歩を踏み出せるようになります。さあ、一緒に川釣りの世界を覗いてみましょう!
最重要!川釣りの注意点とルール・マナー

川釣りを楽しむ上で最も大切なことは、安全を確保し、ルールとマナーを守ることです。
楽しい思い出が台無しにならないよう、以下の注意点を必ず守ってください。
楽しい思い出が台無しにならないよう、以下の注意点を必ず守ってください。
遊漁券の必要性と購入場所
多くの川で釣りをするには「遊漁券(ゆうぎょけん)」という許可証が必要です。これは、川の環境や魚の資源を守るために、その川を管理する漁業協同組合(漁協)が発行しています。
■なぜ必要?
遊漁券の収益は、魚の放流や川の清掃活動など、釣り人がこれからも楽しめる環境を維持するために使われます。
■どこで買う?
現地の釣具店、コンビニエンスストア、おとり鮎店などで購入できます。最近では、インターネットで事前に購入できる「つりチケ」のようなサービスもあります。
■もし持ってないと?
無許可で釣りをすると密漁とみなされ、罰金が科される場合があります。必ず釣りを始める前に購入しましょう。
立ち入り禁止・釣り禁止の場所の確認方法
川ならどこでも釣りをして良いわけではありません。安全上の理由や私有地、禁漁区などの理由で立ち入りや釣りが禁止されている場所があります。
■現地の看板を必ず確認する
「釣り禁止」「立入禁止」などの看板がないか、周囲をよく確認しましょう。
■漁協の情報をチェックする
釣行予定の川を管轄する漁協のウェブサイトには、釣り禁止区域のマップなどが掲載されていることが多いです。「(川の名前) 漁協」で検索して確認するのが確実です。
天候急変への安全対策(増水・雷)
川の天気は非常に変わりやすく、特に山間部の川では急な天候悪化が命の危険に直結します。川の増水は非常に速く、あっという間に逃げ場を失う可能性があります。
■釣行前に天気予報を確認する
当日の天気だけでなく、上流地域の天気予報も必ず確認しましょう。上流で大雨が降ると、自分がいる場所が晴れていても急に増水することがあります。
■川の変化に注意する
・水が急に濁り始めた
・流木や落ち葉が増えてきた
・ゴォーという地鳴りのような音が聞こえる
これらは増水のサインです。少しでも異変を感じたら、すぐに釣りを中断して川から離れ、高い場所に避難してください。
■雷が鳴ったら即避難
雷が聞こえたり、空が暗くなってきたら、すぐに釣りをやめて車や安全な建物に避難しましょう。釣り竿はカーボン製が多く、雷を誘導しやすいため非常に危険です。
危険生物(熊・マムシ・スズメバチ)への対策
自然の中には、予期せぬ危険生物も潜んでいます。正しい知識を持って対策することで、遭遇のリスクを減らすことができます。
■熊
熊の出没情報がある地域では、熊鈴やラジオを携帯し、自分の存在を知らせましょう。早朝や夕方は熊の活動時間と重なるため、特に注意が必要です。
■マムシ、ヘビ
草むらや藪の中を歩く際は、厚手の長ズボンや長靴を着用し、足元をしっかり確認しながら進みましょう。むやみに藪に手を入れるのは避けてください。
■スズメバチ
黒い服装や帽子は避け、白など明るい色の服を選びましょう。香水や匂いの強い整髪料もハチを刺激するためNGです。もしハチが近寄ってきても、手で払わず、静かにその場を離れてください。
安全な服装と装備(ライフジャケット・滑らない靴)
川辺は足場が悪く、苔で滑りやすい場所も多いため、服装と装備は安全を最優先に考えましょう。
■ライフジャケットの着用
万が一の落水に備え、特に子供や泳ぎに自信がない方は必ずライフジャケットを着用してください。大人でも、流れの速い場所では着用が推奨されます。
■滑らない靴
川底の石は苔で非常に滑りやすいです。スニーカーではなく、フェルト底のウェーダー(胴長)や沢靴、滑り止めのついた長靴などを用意しましょう。
■その他の服装
怪我や日焼け、虫刺され防止のため、長袖・長ズボンが基本です。日差し対策の帽子や、水面のギラつきを抑え、針から目を守る偏光サングラスも必須アイテムです。
漁業権とキャッチ&リリースのルール
川の魚は、漁協によって大きさや持ち帰れる数、釣りができる期間(解禁・禁漁期間)が定められています。地域のルールを守ることが、持続可能な釣りのために不可欠です。
■持ち帰り制限(レギュレーション)の確認
ヤマメやイワナなどの渓流魚は、「〇〇cm以下はリリース(逃がす)」といった体長制限や、「1日に持ち帰れるのは〇匹まで」といった尾数制限が設けられていることがほとんどです。
■禁漁期間
魚の産卵期などを保護するため、多くの川で禁漁期間が設定されています(例:渓流魚は10月~翌2月頃)。
■キャッチ&リリース
食べる分だけ持ち帰り、それ以外は優しく川に返す「キャッチ&リリース」を心がけましょう。魚を弱らせないよう、濡れた手で触り、速やかに逃がしてあげるのがマナーです。
周囲への配慮とゴミの持ち帰り
川は釣り人だけのものではありません。他の釣り人や地域住民の方々への配慮を忘れず、感謝の気持ちを持って利用しましょう。
■先行者への挨拶
自分より先に釣りをしている人がいたら、挨拶をしてから近くに入って良いか確認しましょう。無言で近くに入ったり、上流から川を横切ったりするのはマナー違反です。
■ゴミは必ず持ち帰る
釣り糸や仕掛け、餌の袋、弁当の容器など、自分が出したゴミはすべて持ち帰りましょう。美しい釣り場を未来に残すための、釣り人として最も基本的なマナーです。
初心者向け川釣り道具一式と費用

「道具を揃えるのが大変そう…」と感じるかもしれませんが、最初はシンプルなもので十分です。
ここでは、初心者が川の餌釣り(ウキ釣り)を始めるための基本的な道具を紹介します。
ここでは、初心者が川の餌釣り(ウキ釣り)を始めるための基本的な道具を紹介します。
基本の道具リスト(竿・リール・糸・針)
釣具店に行けば、これらがセットになった「初心者セット」も販売されています。迷ったら店員さんに「川でウキ釣りを始めたい」と相談してみましょう。
■竿
長さ3.6m~5.4m程度の「万能竿」や「渓流竿」がおすすめです。最初は扱いやすい短めのものが良いでしょう。
■リール
糸を巻くための道具です。初心者は扱いやすい「スピニングリール」の1000番~2000番サイズが適しています。
■釣り糸(ライン)
リールに巻く「道糸(みちいと)」と、針を結ぶ「ハリス」が必要です。初心者は扱いやすいナイロン製の道糸(1.5号前後)とハリス(0.8号前後)で十分です。
■仕掛け小物
・ウキ:魚のアタリ(魚が餌を食べた合図)を知らせてくれます。玉ウキや棒ウキなどがあります。
・オモリ:仕掛けを沈め、安定させるための重りです。ガン玉という小さなものが使いやすいです。
・釣り針:釣りたい魚の大きさに合わせます。「渓流バリ」「マスバリ」などの6~8号あたりが万能です。
・サルカン(ヨリモドシ):道糸とハリスを繋ぐ金具。糸のヨレを防ぎます。
あると便利な持ち物リスト
基本の道具に加えて、以下のようなものがあると釣りがより快適・安全になります。
・ハサミ:糸を切るために必須です。
・針外し(フォーセップ):魚が針を飲み込んでしまった時に安全に外せます。
・クーラーボックス:釣った魚を入れておくためのものです。
・タオル:手を拭いたり、魚を掴んだりするのに使います。
・救急セット:絆創膏や消毒液など。
・虫除けスプレー、日焼け止め
・飲み物、軽食
季節ごとのおすすめの服装
川辺は市街地より気温が低いことが多いです。体温調節しやすい「重ね着(レイヤリング)」が基本です。
■春、秋
動きやすいインナーに、フリースや薄手のダウン、そして風を通さないウィンドブレーカーなどを組み合わせます。朝晩は冷え込むので、調整できるようにしておきましょう。
■夏
日差しが強くても、安全のために長袖・長ズボンがおすすめです。速乾性のある素材を選ぶと快適です。帽子は必須です。
■冬
防寒対策が最も重要です。保温性の高いインナー、フリース、防寒・防水機能のあるアウターをしっかり着込みましょう。ニット帽やネックウォーマー、手袋も忘れずに。
道具一式の費用目安と予算
初心者向けの竿・リール・仕掛けのセットであれば、5,000円~15,000円程度で一式揃えることが可能です。
これに加えて、遊漁券や餌、小物類で数千円かかると考えておくと良いでしょう。まずは手頃なセットから始めて、釣りにハマってきたら少しずつ良い道具に買い替えていくのがおすすめです。
これに加えて、遊漁券や餌、小物類で数千円かかると考えておくと良いでしょう。まずは手頃なセットから始めて、釣りにハマってきたら少しずつ良い道具に買い替えていくのがおすすめです。
初心者でも簡単な川の釣り方とコツ

道具と仕掛けが準備できたら、いよいよ実践です。ここではウキ釣りを例に、基本的な釣り方と釣果を上げるコツを紹介します。
ウキ釣りの基本的なやり方と手順
■1:餌を付ける
針の先端が少し隠れるように、餌を付けます。ミミズならチョン掛け、イクラなら1~2粒をそっと刺します。
■2:仕掛けを投入する
釣りたいポイントの少し上流に、そっと振り込むように仕掛けを投入します。
■3:仕掛けを流す
ウキが自然に流れていくのに合わせて、竿先をゆっくりと動かして後を追います。糸が張りすぎず、緩みすぎない状態を保つのがコツです。
■4:アワセる(フッキング)
ウキが「ピクピクッ」と動いたり、水中に「スッ」と引き込まれたりするのがアタリです。アタリがあったら、慌てずに手首を返すように竿を軽く立てます。これが**アワセ(フッキング)**です。
■5:魚を寄せる
魚がかかったら、竿の弾力を使いながらゆっくりと手元に引き寄せ、網ですくいましょう。
釣れるポイントの見つけ方(淵・瀬・淀み)
魚はどこにでもいるわけではなく、身を隠せて餌が流れてくる場所に集まっています。川の流れの変化に注目しましょう。
■淵(ふち)
川の流れが緩やかで、水深がある場所。大物が潜んでいる可能性があります。
■瀬(せ)
水深が浅く、流れが速い場所。酸素が豊富で、魚の活性が高いことが多いです。瀬の中にある大きな石の周りは絶好のポイントです。
■淀み(よどみ)
流れがほとんどない場所。流れの脇にある淀みは、魚が休憩する場所になっています。
魚に気づかれないためのアプローチ方法
川の魚は非常に警戒心が強いです。魚に自分の存在を気づかれないように、静かにポイントに近づきましょう。
・水面に自分の影を落とさないように注意する。
・足音を立てず、静かに歩く。
・派手な色の服は避ける。
アワセ(フッキング)の簡単なコツ
初心者がつまずきやすいのがアワセのタイミングです。
「ウキが完全に水中に消えてから」と覚えておくと、成功率が上がります。焦って早くアワセすぎると、魚の口に針がかからず逃げられてしまいます。
「ウキが完全に水中に消えてから」と覚えておくと、成功率が上がります。焦って早くアワセすぎると、魚の口に針がかからず逃げられてしまいます。
川で釣れる魚の種類と見分け方

川には様々な種類の魚がいます。代表的な魚を知っておくと、釣りの楽しみが倍増します。
ヤマメ、アマゴ
渓流の女王とも呼ばれる美しい魚です。体側に小判型の模様(パーマーク)があるのが特徴。パーマークに加えて、赤い点(朱点)があるのがアマゴ、ないのがヤマメです。
イワナ
ヤマメやアマゴよりさらに上流の、水が冷たい場所に生息します。体に白い斑点があるのが特徴で、力強い引きが魅力です。
ニジマス
体に散らばる黒い斑点と、エラから尾にかけて入る赤い帯が特徴です。放流されていることが多く、初心者でも比較的釣りやすい魚です。
オイカワ、ウグイ
里川(人里近くの川)でよく見かける魚です。繁殖期のオスは、息をのむほど美しい「婚姻色」に染まります。ウキ釣りの良いターゲットです。
ハヤ(カワムツ、ヌマムツ)
一般的に「ハヤ」と呼ばれる魚の代表格。好奇心旺盛で餌への反応も良いため、川釣り入門に最適な魚と言えるでしょう。
川釣りの時期と釣れやすい時間帯

釣果を上げるには、行くタイミングも重要です。
川釣りのベストシーズン(春・秋)
一般的に、川釣りのベストシーズンは水温が安定する春(4月~6月)と秋(9月~10月)です。
魚の活性が高く、気候も穏やかなので快適に釣りを楽しめます。夏は水温が上がりすぎると魚の食いが落ち、冬は活性が低くなるため難易度が上がります。
魚の活性が高く、気候も穏やかなので快適に釣りを楽しめます。夏は水温が上がりすぎると魚の食いが落ち、冬は活性が低くなるため難易度が上がります。
魚種ごとの釣れる季節
ヤマメやイワナなどの渓流魚は、資源保護のために釣りができる期間が決まっています。多くの地域で3月頃に解禁し、9月末に禁漁となります。釣行前には必ず漁協の情報を確認しましょう。
釣果が期待できる時間帯(朝マズメ・夕マズメ)
魚が最も活発に餌を食べる時間帯は「マズメ時」と呼ばれます。
・朝マズメ:日の出前後の薄明るい時間帯。
・夕マズメ:日没前後の薄暗い時間帯。
まとめ

この記事で得た知識を元に、ぜひ川釣りデビューを果たしてください。きっと、忘れられない素晴らしい体験があなたを待っています!