「夏休みが終わったら、もう虫はいないの?」 お子さんからそんな質問をされて、答えに困ったことはありませんか。実は、秋は夏とはまた違った魅力的な昆虫たちに出会える、絶好の昆虫採集シーズンです。
特に10月は、気候も良く、親子でのお出かけにぴったり。涼やかな鳴き声を響かせるコオロギや、草むらに潜むカマキリなど、秋ならではの虫たちがたくさん活動しています。
この記事では、10月の昆虫採集を親子で楽しむための完全ガイドをお届けします。
・10月に採れる代表的な昆虫の種類
・秋の虫を見つけやすい場所と時間帯
・安全に楽しむための持ち物、服装、注意点
・コオロギやスズムシの簡単な捕まえ方
この記事を読めば、初心者の方でも安心して昆虫採集に出かけられます。さあ、お子さんと一緒に、秋の自然に隠れた宝物を探しに行きましょう!
10月に採れる秋の昆虫!代表的な種類一覧

10月になると、夏の主役だったカブトムシやセミの姿は減り、季節はすっかり秋の装いです。しかし、草むらや林に目を向ければ、たくさんの昆虫たちが元気に活動しています。秋には、美しい音色を奏でる虫や、ユニークな姿をした虫など、夏とは違う発見があるのが魅力です。
ここでは、10月の昆虫採集で出会える代表的な昆虫たちをご紹介します。
秋の音色の主役!コオロギ・スズムシ
秋の夜に「リーン、リーン」や「コロコロリー」と美しい鳴き声を聞かせてくれるのが、コオロギやスズムシの仲間です。秋の昆虫採集の主役ともいえる存在で、その音色を聞くだけで季節の深まりを感じられます。
■コオロギ
エンマコオロギなど、身近な公園や草むらでよく見られます。茶色や黒っぽい色をしていて、鳴き声を頼りに探すのが基本です。
■スズムシ
「鈴を振るような」と表現される美しい鳴き声が特徴です。野生では少し見つけにくいですが、河川敷の草むらなどで出会えることがあります。
草むらのハンター!カマキリ
草むらで出会える昆虫の王様といえば、カマキリです。大きな鎌を持ち、他の虫を捕まえて食べる姿は迫力満点で、子供たちに大人気です。10月頃には緑色だけでなく、茶色になったカマキリも見られます。
オオカマキリやハラビロカマキリなど、種類によって大きさや形が違うので、見比べてみるのも面白いでしょう。
秋空を舞うアキアカネなどのトンボ
「赤とんぼ」として親しまれているアキアカネは、秋を象徴する昆虫の一つです。涼しくなると平地に下りてきて、群れで飛ぶ姿は秋の風物詩です。
澄んだ秋空を背景にスイスイと飛ぶトンボを捕まえるのは、子供にとって楽しいチャレンジになります。池や田んぼの周り、公園などでよく見かけられます。
ジャンプが得意なバッタの仲間
バッタの仲間も、秋の草むらの常連です。トノサマバッタやショウリョウバッタなど、大型のバッタが見つかるのもこの季節。近づくと勢いよくジャンプして逃げるので、追いかけるだけでも楽しめます。
どこに隠れているかを探したり、ジャンプした先を予測したりと、ゲーム感覚で採集できるのが魅力です。
まだ見つかる?クワガタ・カブトムシ
「10月でもクワガタやカブトムシは採れるの?」と気になる方も多いでしょう。 残念ながら、ほとんどのカブトムシやノコギリクワガタは夏の間に寿命を迎えます。
しかし、コクワガタのように比較的寿命が長い種類は、暖かい日が続けば木のウロ(木の幹にできた空洞)などで見つかる可能性がゼロではありません。過度な期待は禁物ですが、「もしかしたらいるかも?」と探してみるのも一興です。
秋の虫を捕まえる場所と時間帯

秋の虫たちは、どこに隠れているのでしょうか。実は、身近な公園や河川敷の草むらが絶好のポイントになります。
ここでは、具体的な場所と、虫を見つけやすい時間帯について解説します。
おすすめの場所は公園や河川敷の草むら
秋の昆虫採集は、遠くまで出かける必要はありません。子供と安全に楽しめる、以下のような場所がおすすめです。
■日当たりの良い草むら
バッタやカマキリ、トンボなど多くの昆虫は、日光で体を温めるために日当たりの良い場所に集まります。
■近所の公園
植え込みや茂みの中は、コオロギなどの隠れ場所に最適です。
■河川敷
広々とした草むらが広がっており、様々な種類のバッタやコオロギを見つけやすいでしょう。
昼間は日当たりの良い場所が狙い目
天気の良い日の昼間は、昆虫採集のゴールデンタイムです。多くの昆虫が活発に動き回ります。
特にバッタやカマキリ、トンボを探すなら昼間が最適。草の上でひなたぼっこをしている虫を探してみましょう。ゆっくりと草むらを歩きながら、足元で動くものに注意を向けるのがコツです。
夜は街灯の明かりに集まる虫を探す
夜には、昼間とは違う昆虫たちが活動を始めます。コオロギやスズムシの鳴き声がよく聞こえるのは夜です。
また、夜行性の昆虫は光に集まる習性があります。公園や自動販売機の街灯の周りを探してみると、昼間は見かけなかったガの仲間や、時にはコオロギが見つかることもあります。夜の採集は、必ず大人と一緒に行動し、安全に十分注意してください。
昆虫採集の基本!必要な持ち物と服装

昆虫採集を安全に、そして快適に楽しむためには、しっかりとした準備が欠かせません。特別な道具は必要なく、基本的なものは100円ショップなどで手軽に揃えられます。
必須アイテム!虫かご・捕虫網
■虫かご
捕まえた虫を入れて観察するためのケースです。透明で中が見やすいものがおすすめです。
■捕虫網(ほちゅうあみ)
トンボやバッタなど、素早く動く虫を捕まえるのに便利です。
安全のための服装!長袖・長ズボン・帽子
草むらに入るときは、肌の露出を避けることが大切です。虫刺されや植物によるかぶれ、ケガから身を守るために、以下の服装を心がけましょう。
■長袖・長ズボン
ハチやケムシ、マダニなどから肌を守ります。
■帽子
日差しを防ぐだけでなく、頭を虫から守る役割もあります。
■運動靴
サンダルではなく、足をしっかりと覆う靴を選びましょう。
あると便利な道具!懐中電灯と軍手
必須ではありませんが、あると便利なアイテムです。
■懐中電灯
夜の採集や、木のウロなど暗い場所を覗くときに役立ちます。
■軍手
草をかき分けるときや、虫を直接触るのに抵抗がある場合に便利です。ケガの防止にもなります。
コオロギ・スズムシの簡単な捕まえ方

秋の鳴く虫の代表、コオロギやスズムシ。その美しい音色を家で楽しみたいと思うお子さんも多いでしょう。鳴き声を頼りに、そっと近づくのが捕獲のコツです。
鳴き声を頼りに生息場所を特定する
コオロギやスズムシは、姿を見つけるより先に鳴き声が聞こえてきます。
1:まずは静かな場所で耳を澄ませ、鳴き声がする方向を確認します。
2:音が大きく聞こえる方へ、ゆっくりと進んでいきましょう。
3:物音を立てると鳴きやんでしまうので、足音を忍ばせて近づくのがポイントです。
驚かせないようにそっと近づき捕獲する
鳴き声の主のすぐ近くまで来たら、いよいよ捕獲です。彼らは非常に臆病なので、急な動きは禁物です。
■両手でそっと捕まえる
虫を驚かせないように、上から両手で優しく覆うようにして捕まえます。
■カップを使う
虫の前に小さなプラスチックカップなどを置き、後ろから優しく誘導して入ってもらう方法もおすすめです。
捕まえた後の簡単な飼育方法
捕まえたコオロギやスズムシを飼育して、秋の音色を家で楽しむのも素敵です。
■飼育環境
虫かごの底に土や砂を敷き、落ち葉や植木鉢のかけらなど、隠れ家になるものを入れてあげましょう。
■エサと水分
エサは、キュウリやナスなどの野菜、煮干しやペットショップで売っている専用フードを与えます。水分補給のために、霧吹きで壁を湿らせてあげてください。
長く飼育するのが難しい場合は、数日間観察した後に元の場所に逃がしてあげるのも、命を大切にする良い学びになります。
親子で楽しむための安全対策とマナー

自然の中で遊ぶ昆虫採集は、楽しいだけでなく危険も伴います。また、他の人や自然環境への配慮も大切です。
ルールとマナーを守って、みんなが気持ちよく楽しめるようにしましょう。
注意すべき危険な生物!ハチ・ケムシ・マダニ
草むらには、注意が必要な生き物もいます。事前に知っておくことで、トラブルを防げます。
■ハチ
巣を見つけても絶対に近づかず、刺激しないようにしましょう。黒い服や強い香水はハチを興奮させることがあるので避けるのが無難です。
■ケムシ
種類によっては毒を持っているため、絶対に素手で触らないでください。
■マダニ
草むらから出たら、服や体にマダニがついていないか確認しましょう。刺されると感染症の原因になることがあります。
もし刺されたりかぶれたりした場合は、すぐにその場を離れ、症状がひどい場合は病院を受診してください。
私有地や立ち入り禁止の場所には入らない
昆虫採集に夢中になるあまり、気づかずに人の家の敷地や畑に入ってしまうことがあります。
「立入禁止」の看板がある場所や、柵で囲まれた場所には絶対に入らないようにしましょう。公園のルールも事前に確認しておくと安心です。
採集は観察に必要な数だけにする
たくさんの虫を見つけると、すべて持ち帰りたくなるかもしれません。しかし、飼育できる数だけ、観察に必要な数だけを採集するのが大切なマナーです。
自然の生き物であることを忘れず、命を大切にする心を育む機会にもなります。捕まえすぎたと感じたら、元の場所に優しく逃がしてあげましょう。
まとめ

10月は、夏の暑さも和らぎ、親子で昆虫採集を楽しむのに最高の季節です。この記事でご紹介したポイントを押さえれば、きっと素敵な秋の思い出が作れるはずです。
・10月はコオロギ、カマキリ、バッタなど魅力的な秋の虫がたくさんいる
・探す場所は、身近な公園や河川敷の日当たりの良い草むらがおすすめ
・安全のために、服装は長袖・長ズボンを徹底する
・危険な生き物に注意し、マナーを守って楽しむことが大切
さあ、虫かごを片手に、お子さんと一緒に秋の宝探しに出かけてみませんか?澄んだ鳴き声や、たくましく生きる虫たちの姿は、きっと親子にとって忘れられない体験になるでしょう。