「食欲の秋」もいよいよ本番。朝晩の冷え込みが増す11月は、冬に向けて栄養をたっぷりと蓄えた美味しい食材が市場に並ぶ季節です。
「秋の味覚を楽しみたいけど、11月は何が一番美味しいんだろう?」 「旬の食材を使った料理で、毎日の献立を豊かにしたい!」
そんなあなたのために、この記事では11月に旬を迎えるおすすめの食べ物を野菜・果物・魚介・きのこ類に分けて、全18種類を一覧でご紹介します。
それぞれの食材の美味しい選び方や、旬の味覚を存分に味わうための簡単おすすめ料理も解説します。ぜひ、この記事を参考にして、11月ならではの美味しい食卓を楽しんでください。
【野菜編】11月に食べたい旬の味覚

11月は、鍋物や煮込み料理にぴったりの野菜が豊富です。寒さとともに甘みや風味が増す、秋から冬にかけての旬野菜を味わいましょう。
白菜
鍋料理に欠かせない白菜は、霜が降りる11月頃から甘みが増して美味しくなります。 寒さから身を守るために糖分を蓄えるため、冬の白菜は格別の味わいです。
■美味しい選び方
・葉が根本までぎっしりと詰まっている。
・ずっしりと重みがある。
・カットされている場合は、断面がみずみずしく、盛り上がっていないもの。
■おすすめの食べ方
鍋物はもちろん、クリーム煮や炒め物、漬物、サラダなど、幅広い料理で活躍します。
ほうれん草
ほうれん草の旬は冬で、特に11月頃から出回るものは葉が肉厚で味が濃くなります。 夏採りのものに比べて、ビタミンCの含有量が多いのも特徴です。
■美味しい選び方
・葉の色が濃く、ハリがある。
・根元の赤みが鮮やかである。
・茎が太すぎず、しっかりしている。
■おすすめの食べ方
おひたしや胡麻和え、バターソテー、キッシュ、スムージーなど、和洋問わず使えます。
ごぼう
独特の香りと食感が魅力のごぼうは、秋から冬にかけて旬を迎えます。 特に11月頃に収穫される「秋ごぼう」は、香りが高く、食感も柔らかいのが特徴です。
■美味しい選び方
・太さが均一で、ひげ根が少ない。
・泥付きのものは乾燥しにくく、風味が長持ちする。
・手に持った時にしならない、硬さのあるもの。
■おすすめの食べ方
きんぴらごぼうや煮物、炊き込みご飯、豚汁、唐揚げなど、食物繊維を美味しく摂れます。
さつまいも
秋の味覚の代表格であるさつまいもは、収穫後2〜3ヶ月貯蔵された10月〜1月頃が最も甘くて美味しい時期です。 11月はまさに食べ頃のさつまいもが豊富に揃います。
■美味しい選び方
・皮の色が均一で鮮やか。
・表面に傷や黒い斑点がない。
・ふっくらとしていて、持った時に重みを感じるもの。
■おすすめの食べ方
焼き芋や天ぷらはもちろん、大学芋、スイートポテト、さつまいもご飯、味噌汁の具にも最適です。
里芋
ねっとりとした食感が特徴の里芋は、9月〜12月が旬。11月は特に美味しい里芋が出回ります。 芋煮会など、秋の行事食にも欠かせない食材です。
■美味しい選び方
・丸みがあって、ふっくらしている。
・泥付きで、表面が湿っているもの(乾燥していない)。
・ずっしりと重みがある。
■おすすめの食べ方
煮っころがしや芋煮、豚汁、唐揚げ、田楽など、煮物や汁物で楽しむのが定番です。
【果物編】11月に食べたい旬の味覚

11月は、りんごや柿、みかんなど、こたつで食べたくなるような果物が美味しくなる季節です。食後のデザートや間食に、旬の果物を取り入れてみませんか?
りんご
11月は「ふじ」や「王林」など、蜜が入りやすい品種が旬を迎えるりんごの最盛期です。 朝晩の寒暖差が大きいほど甘く美味しいりんごが育ちます。
■美味しい選び方
・全体が赤く色づいている(青りんごは除く)。
・ずっしりと重みがある。
・お尻の部分が黄色っぽくなっているものは完熟のサイン。
■おすすめの食べ方
そのまま食べるのが一番ですが、アップルパイや焼きりんご、コンポート、サラダなどにも使えます。
柿
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養豊富な柿は、10月〜12月が旬です。 11月は甘柿、渋柿ともに多くの品種が出回ります。
■美味しい選び方
・ヘタが実にぴったりと張り付いている。
・全体が均一に色づいていて、ハリとツヤがある。
・持った時に重みを感じるもの。
■おすすめの食べ方
そのまま食べるほか、白和えやなます、サラダに加えると料理のアクセントになります。
みかん
冬の果物の代表格であるみかんは、10月頃から出回る「極早生」に続き、11月からは甘みと酸味のバランスが良い「早生」が旬を迎えます。
■美味しい選び方
・皮の色が濃いオレンジ色。
・ヘタの切り口が小さい。
・皮が薄く、実との間に隙間がないもの。
■おすすめの食べ方
そのまま食べるのが基本ですが、皮を干して陳皮にしたり、ジュースやジャムに加工するのも良いでしょう。
洋梨
とろけるような食感と芳醇な香りが魅力の洋梨は、10月〜12月が旬。 11月は「ラ・フランス」や「ル・レクチェ」といった人気の品種が食べ頃を迎えます。
■美味しい選び方
・軸の周りを軽く押して、少し柔らかさを感じるもの(追熟が進んだサイン)。
・香りが立っているもの。
・皮にハリがあり、傷がないもの。
■おすすめの食べ方
追熟させてそのまま食べるのが最高です。コンポートやタルト、生ハムと合わせるのもおしゃれです。
【魚介編】11月に食べたい旬の味覚

海水温が下がる11月は、多くの魚が脂を蓄え、身が引き締まって美味しくなる季節です。鍋物や焼き魚で楽しみたい、旬の魚介類をご紹介します。
鮭(秋鮭)
産卵のために川に戻ってくる鮭は「秋鮭」と呼ばれ、9月〜11月が旬です。 脂は控えめであっさりしていますが、その分、鮭本来の旨味をしっかりと感じられます。
■美味しい選び方
・身の色が鮮やかなオレンジ色。
・皮にツヤとハリがある。
・切り身の場合は、パックに水分が出ていないもの。
■おすすめの食べ方
塩焼きやムニエル、ホイル焼き、ちゃんちゃん焼き、石狩鍋など、どんな料理にも合います。
ぶり
出世魚として知られるぶりは、冬に向けて脂がのってくる11月頃から美味しくなります。 特に北陸地方で獲れる「寒ぶり」は有名ですが、11月はその走りとして楽しめます。
■美味しい選び方
・切り身は血合いの色が鮮やかで、身に透明感がある。
・身が割れておらず、弾力があるもの。
■おすすめの食べ方
照り焼きや塩焼き、ぶり大根、刺身、しゃぶしゃぶなど、脂ののったぶりは絶品です。
たら
「鱈」という漢字が示す通り、冬を代表する魚。11月〜2月が旬です。 脂肪が少なく淡白な味わいで、鍋物や汁物にすると良い出汁が出ます。
■美味しい選び方
・切り身は透明感のある白身で、ほんのりピンク色がかっている。
・身が締まっていて、弾力がある。
■おすすめの食べ方
たらちり(鍋)、ムニエル、フライ、味噌漬け、白子(真鱈)はポン酢や天ぷらで。
ししゃも
北海道の太平洋沿岸でしか獲れない本物の「ししゃも」の旬は、10月下旬〜11月下旬と非常に短いです。 一般的に流通している「カラフトシシャモ」とは異なる、上品な味わいが特徴です。
■美味しい選び方
・銀色に輝き、身がふっくらしている。
・お腹が張りすぎていないもの(卵が成熟しすぎると身が痩せるため)。
■おすすめの食べ方
シンプルに焼いて食べるのが一番。天ぷらやフライにしても美味しいです。
ずわいがに
冬の味覚の王様、ずわいがに。多くの地域で11月上旬に漁が解禁され、まさに旬の始まりを迎えます。 オスは「松葉がに」や「越前がに」と呼ばれ、メスは「セコガニ」や「香箱がに」として珍重されます。
■美味しい選び方
・持った時にずっしりと重い。
・甲羅が硬く、脚がしっかりついている。
■おすすめの食べ方
茹でがに、焼きがに、かに鍋、刺身、かにしゃぶなど、様々な食べ方で楽しめます。
【きのこ・その他】秋といえばこの食べ物

秋の味覚といえば、きのこや木の実、そして新米も忘れてはいけません。料理に加えるだけで、ぐっと秋らしい食卓になります。
しいたけ
秋と春に旬を迎えるしいたけですが、特に秋のものは香りが高く、「秋子(あきこ)」と呼ばれます。 旨味成分が豊富で、料理に深い味わいを加えてくれます。
■美味しい選び方
・かさが肉厚で、開きすぎていない。
・軸が太く、短いもの。
・かさの裏側がきれいな白色。
■おすすめの食べ方
焼き物、煮物、天ぷら、炊き込みご飯、炒め物など、和洋中どんな料理にも合います。
まいたけ
豊かな香りとシャキシャキした食感が人気のまいたけは、天然物の旬が秋です。 栽培ものが主流ですが、秋になると風味が増すと言われています。
■美味しい選び方
・かさが肉厚で、色が濃い。
・全体的にハリがあり、パリッとしている。
■おすすめの食べ方
天ぷら、炒め物、炊き込みご飯、汁物など。旨味成分が豊富なので、出汁も楽しめます。
しめじ
「香りまつたけ、味しめじ」と言われるように、旨味の強いきのこです。 ぶなしめじは通年栽培されていますが、本来の旬は秋。この時期は特に風味が豊かです。
■美味しい選び方
・かさが小ぶりで、締まっている。
・軸が白く、太くて弾力がある。
■おすすめの食べ方
炒め物、和え物、パスタ、炊き込みご飯、汁物など、クセがないので万能に使えます。
ぎんなん
イチョウの木の実であるぎんなんは、独特のほろ苦さともっちりした食感が魅力の秋の味覚です。 9月〜11月が旬で、茶碗蒸しや串焼きで楽しまれます。
■美味しい選び方
・殻が白く、硬くてきれいなもの。
・振った時に音がしないもの(中身が痩せていない)。
■おすすめの食べ方
殻を割って炒ったり、茶碗蒸しに入れたり、串焼きにしたりします。食べ過ぎには注意が必要です。
11月の旬を味わう簡単おすすめ料理

旬の食材が手に入ったら、早速料理してみましょう。ここでは、11月の旬の食材を使った、献立の参考になる簡単おすすめ料理を5品ご紹介します。
主菜:秋鮭ときのこのホイル焼き
■材料
生鮭(切り身):2切れ
お好みのきのこ(しめじ、えのき、舞茸、椎茸など):150gほど
玉ねぎ:1/2個(薄切り)
にんじん:1/4本(細切り)
バター:10g × 2(1切れにつき5g)
塩・こしょう:少々
醤油:小さじ2
酒:大さじ1
■作り方
1:鮭に軽く塩・こしょうを振っておく。
2:きのこは石づきを取り、ほぐす。
3:玉ねぎは薄切り、にんじんは細切りにする。
4:アルミホイルを大きめに切り、中央に玉ねぎ・にんじんを敷く。
5:その上に鮭をのせ、周りにきのこを散らす。
6:酒を大さじ1/2ずつ振りかけ、バターをのせる。
7:醤油を小さじ1ずつ回しかける。
8:アルミホイルをしっかりと包み、蒸気が漏れないようにする。
9:ホイルを開け、香りを楽しみながらお好みでレモンやすだちを絞る。
主菜:ぶりの照り焼き
■材料
・ぶりの切り身:2切れ
・塩:少々
・薄力粉(または片栗粉):適量(軽くまぶす用、なくても可)
・サラダ油:小さじ2
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ2
・酒:大さじ2
・砂糖:大さじ1
■作り方
1:ぶりに軽く塩をふり、10分ほどおいてから出てきた水分をキッチンペーパーで拭く(臭み取り)。
2:薄力粉を薄くまぶすと、たれが絡みやすくなり、香ばしさも増します。
3:たれを合わせる
4:醤油・みりん・酒・砂糖を混ぜておく。
5:フライパンに油を熱し、中火でぶりを両面こんがりと焼く。
6:焼き色がついたら余分な油を軽く拭き取る。
7:合わせたたれを回し入れ、弱めの中火で煮絡める。
8:たれがとろりと煮詰まり、ぶりに照りが出たら完成。
副菜:柿と春菊の白和え
■材料
・柿:1個(食べやすい大きさに切る)
・春菊:1/2束(約100g)
・木綿豆腐:1/2丁(約150g)
・白ごま:大さじ1(すりごまでも可)
・砂糖:小さじ2
・薄口醤油(または醤油):小さじ2
・味噌(白味噌がおすすめ):小さじ1
■作り方
1:豆腐はキッチンペーパーに包み、重しをして30分ほど水切りする。
2:時間がなければ電子レンジ(600Wで2分程度)で加熱して水を切る方法でもOK。
3:鍋に湯を沸かし、塩を少々加えて春菊をさっと茹でる(30秒〜1分程度)。
4:冷水に取り、水気を絞って3〜4cmに切る。
5:すり鉢に白ごまをすり、豆腐を入れてなめらかになるまであたる。
6:砂糖・醤油・味噌を加えてよく混ぜる。
7:柿・春菊を加え、さっくりと和えたら完成。
ご飯もの:さつまいもご飯
■材料
・米:2合
・さつまいも:中1本(約250g)
・水:適量(炊飯器の2合の目盛りまで)
・酒:大さじ1
・塩:小さじ1弱
・黒ごま:適量(仕上げ用)
■作り方
1:米を研ぎ、30分ほど水に浸してからザルにあげておく。
2:さつまいもは皮つきのまま1.5cm角くらいに切る。
3:水に10分ほどさらしてアクを抜き、水気を切る。
4:炊飯器の内釜に米と規定の水を入れる。
5:酒・塩を加えて混ぜ、上にさつまいもをのせる(混ぜ込まずにのせるのがポイント)。
6:通常通り炊飯する。
7:炊き上がったら全体をさっくりと混ぜ合わせる。
8:器に盛り、黒ごまをふって完成。
汁物:豚肉と根菜の豚汁
■材料
・豚バラ肉(薄切り):150g
・大根:1/4本(200g)
・にんじん:1/2本
・ごぼう:1/2本
・里芋:3個(なければじゃがいもでも可)
・長ねぎ:1本
・こんにゃく:1/2枚
・ごま油:小さじ2
・だし汁:800ml(昆布+かつお出汁 or 和風だしの素でも可)
・味噌:大さじ4〜5(お好みで調整)
・醤油:小さじ1(隠し味)
■作り方
1:豚肉は3〜4cm幅に切る。
2:大根・にんじんはいちょう切り、ごぼうは斜め薄切りにして水にさらす。
3:里芋は皮をむき、一口大に切って塩でもんでぬめりを取ってから洗う。
4:こんにゃくは下ゆでして短冊切り。
5:長ねぎは斜め切り。
6:鍋にごま油を熱し、豚肉を炒める。
7:色が変わったら大根・にんじん・ごぼう・里芋・こんにゃくを加え、軽く炒める。
8:だし汁を加え、煮立ったらアクを取る。
9:中火で10分ほど、具材が柔らかくなるまで煮る。
10:火を弱めて味噌を溶き入れる。
11:醤油をほんの少し加えて味を引き締める。
12:最後に長ねぎを入れてひと煮立ちさせ、火を止める。
まとめ

11月は、白菜やほうれん草などの葉物野菜、りんごや柿といった果物、そして脂がのった鮭やぶりなど、秋の味覚と冬の味覚の両方が楽しめる美味しい季節です。
スーパーや直売所には、新鮮で栄養価の高い旬の食材がたくさん並びます。この記事で紹介した食材や料理を参考に、ぜひご家庭で「食欲の秋」を存分に満喫してください。