「来年の春節っていつだろう?」「取引先の中国企業が長期休暇に入るみたいだけど、旧正月って何?」
仕事や旅行、ニュースなどで「旧正月」や「春節」という言葉を耳にして、具体的な日付や意味が気になったことはありませんか?
旧正月(春節)は、中華圏をはじめとするアジアの多くの国で最も盛大にお祝いされる祝日です。しかし、毎年日付が変わるため、いつなのか分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
この記事では、そんな疑問を解消するために、旧正月・春節の基本を分かりやすく解説します。
・2026年、2025年の旧正月(春節)の日付と祝日期間
・旧正月と春節の言葉の意味と違い
・旧正月を祝う国や地域の文化・習慣
・ビジネスや旅行で知っておきたい注意点
この記事を読めば、旧正月・春節に関する知識が深まり、ビジネスやプライベートでのコミュニケーション、旅行計画などにきっと役立ちます。
2026年・2025年の旧正月はいつからいつまで?
まず、皆さんが最も知りたいであろう直近の旧正月(春節)の日付から確認していきましょう。
2026年の旧正月(春節)は2月17日(火)
2026年は、この日を元日として中華圏では新しい年が始まります。
2025年の旧正月(春節)は1月29日(水)
2025年は1月下旬に新年を迎えていました。
一般的な祝日期間の目安
「旧正月のお休みはいつからいつまで?」というのも気になるところですよね。祝日期間は国や地域によって異なりますが、ここでは最も一般的な中国の例をご紹介します。
中国の法定休日は、旧正月の元日を含めて7日間から8日間となるのが通例です。多くの企業や官公庁がこの期間、長期休暇に入ります。
■休暇の開始
旧暦の大晦日にあたる「除夕(じょせき)」から休みが始まることが多いです。
■休暇の終了
元日から数えて7日後あたりまでが一般的です。
ただし、文化的には「元宵節(げんしょうせつ)」と呼ばれる旧暦の1月15日までがお正月ムードの続く期間とされています。そのため、人によっては約2週間にわたって故郷に帰省したり、休暇を取ったりすることも珍しくありません。
ビジネスや旅行の計画を立てる際は、この長期休暇を念頭に置くことが大切です。
今後の旧正月・春節の日付一覧(2026年〜2030年)
来年以降のスケジュールを立てる際に役立つ、2030年までの旧正月(春節)の日付を以下にまとめました。
■2026年
2月17日(火)
■2027年
2月6日(土)
■2028年
1月26日(水)
■2029年
2月13日(火)
■2030年
2月3日(日)
(参考:国立天文台 暦計算室)
このように、旧正月は毎年1月下旬から2月中旬の間で変動します。
旧正月と春節の基本的な意味と違い
「旧正月」と「春節」、どちらの言葉も耳にしますが、何か違いはあるのでしょうか?基本的な意味と関係性を解説します。
旧正月とは「旧暦の正月」のこと
旧正月とは、その名の通り「旧暦におけるお正月」のことです。
私たちが普段使っているカレンダーは「新暦(太陽暦)」ですが、アジアの国々では古くから「旧暦(太陰太陽暦)」が使われてきました。この旧暦に基づいた1月1日を祝うのが旧正月です。
日本では明治時代に新暦が採用されてから、新暦の1月1日を「お正月」として祝うのが一般的になりましたが、沖縄や一部の地域では今でも旧正月の風習が残っています。
「春節」は主に中国での呼び名
春節とは、旧正月のことを指す中国語の呼び名です。 つまり、「旧正月」と「春節」は基本的に同じものを指しており、呼び方が違うだけと理解して問題ありません。
中国や台湾、シンガポールなどの中華圏では、一般的に「春節」と呼ばれます。この記事でも、以降は「春節」という言葉を主に使って解説していきます。
なぜ毎年日付が変わるのか
このような疑問は多くの人が抱きます。
その理由は、基準となる暦が違うからです。
■新暦(太陽暦)
地球が太陽の周りを一周する時間(約365日)を基準にしています。
■旧暦(太陰太陽暦)
月の満ち欠けの周期(約29.5日)を基準にしています。
月の満ち欠けを基準とする旧暦は、1年が約354日となり、新暦と比べて11日ほど短くなります。このズレを調整するために、数年に一度「うるう月」を設けて1年を13ヶ月にする年があります。
この仕組みにより、旧暦のお正月(春節)は、新暦で見ると毎年日付が変動するのです。
旧正月・春節を祝う国と地域
春節は中国だけの文化だと思われがちですが、アジアの広い範囲で祝われています。それぞれの国や地域で独自の文化が根付いています。
中国・台湾・香港・マカオ
中華圏では、春節は一年で最も重要な祝日です。多くの人が故郷に帰り、家族と過ごします。この時期の帰省ラッシュは「春運」と呼ばれ、毎年数億人規模の大移動が起こります。
街中は赤い提灯や飾りで彩られ、非常に華やかな雰囲気に包まれます。
韓国(ソルラル)
韓国では、旧正月のことを「ソルラル」と呼びます。韓国でも祝日となっており、多くの人が帰省して家族や親戚と過ごします。
先祖を敬う儀式「茶礼(チャレ)」を行ったり、伝統的なすごろく「ユンノリ」で遊んだりする習慣があります。
ベトナム(テト)
ベトナムの旧正月は「テト」と呼ばれ、ベトナム人にとって最も大切な祝日です。桃の花やキンカンの木を飾るのが特徴で、家族で「バインチュン」というちまきのような伝統料理を食べます。
シンガポール・マレーシア
シンガポールやマレーシアは多民族国家ですが、中華系の国民が多いため、春節は国の祝日になっています。
ショッピングモールが華やかに飾り付けられたり、親戚や友人の家を訪ねてお祝いを交わしたりする光景が見られます。
旧正月・春節の代表的な習慣
春節には、国や地域を超えて共通する代表的な習慣がいくつかあります。
家族で過ごす大晦日と年越し料理
春節で最も大切にされるのは、家族団らんです。旧暦の大晦日には、離れて暮らす家族も実家に集まり、「年夜飯(ニィエンイエファン)」と呼ばれるごちそうを囲みます。
餃子(財産が増える)、魚(余裕が生まれる)など、縁起の良い意味を持つ料理が食卓に並びます。
新年の挨拶とお年玉(紅包)
新年を迎えると、親戚や友人の家を訪ねて新年の挨拶を交わします。このとき、子供や未婚の若者、お世話になった人などへお年玉を渡す習慣があります。
このお年玉は「紅包(ホンバオ)」と呼ばれる赤い祝儀袋に入れるのが特徴です。近年では、スマートフォンの決済アプリを使って電子マネーの紅包を送り合うことも一般的になっています。
縁起の良い赤い飾り付けと爆竹
春節の時期、街や家は「赤」で埋め尽くされます。赤は中国で幸福や富を象徴する縁起の良い色とされており、魔除けの意味もあります。赤い提灯を飾ったり、「福」の字が書かれた赤い紙を逆さまに貼ったり(福が到来するように、という意味)します。
また、かつては魔物を追い払うために爆竹を鳴らすのが定番でしたが、近年は安全や環境への配慮から、多くの都市部で禁止されています。
ビジネスや旅行で知るべき注意点
春節の時期に中華圏と関わる場合、いくつか知っておくべき注意点があります。事前に把握して、トラブルを避けましょう。
取引先の長期休暇のスケジュール確認
中華圏に取引先がある場合、春節前後は約1週間〜2週間、業務が完全にストップする可能性があります。休暇期間は企業によって異なるため、必ず事前に正確なスケジュールを確認しておきましょう。
物流・生産ストップへの事前対策
工場の多くが休業するため、生産や物流が止まります。春節期間をまたぐ発注や納品は、大幅な遅延が発生するリスクがあります。必要な在庫の確保や納期の調整は、余裕を持って早めに行うことが重要です。
観光地の混雑と店舗の休業情報
この時期に旅行を計画する場合、交通機関や主要な観光地は国内外からの観光客で大変混雑します。
ホテルの予約も早めに済ませましょう。一方で、個人経営の飲食店や商店は休業していることが多いので、注意が必要です。
まとめ
今回は、旧正月・春節について、日付や意味、各国の習慣、注意点などを解説しました。
・2026年の春節は2月17日(火)、2025年は1月29日(水)
・旧正月と春節は同じ意味で、旧暦のお正月を指す
・中国、韓国、ベトナムなどアジアの多くの国で祝われる重要な祝日
・春節期間は、ビジネスや物流に大きな影響が出るため事前確認が不可欠
旧正月・春節は、単なる祝日ではなく、その国の人々の価値観や文化が凝縮された大切な期間です。この知識が、あなたのビジネスや旅行、異文化理解の一助となれば幸いです。
